特集:
2008/06/03 日記<スズキ・ジムニー>
スズキ・ジムニー
ジムニー (Jimny) は、スズキ (自動車メーカー)|スズキが1970年から市販している四輪駆動の軽自動車である。通常「ジムニー」は軽自動車を指すが、当項目では普通自動車登録であるジムニーシエラ、ジムニーワイド等についても併記する。なお、ゼブラ (ボールペン)|ゼブラ株式会社のボールペン「ジムニー」及び、:en:Ford Sierra|フォード・シエラや:en:GMC Sierra|GMC・シエラとは一切関係ない。
特徴
構造
小型で軽量のパートタイム四輪駆動|4WD車というユニークな存在であり、オフロードでの高い走破性を有している。小型オフロード車ではシャシ (自動車)|車台のモノコック化が進んでいる今日にあって、低級振動や重量増などの不利をおして、今なお強度と耐久性を重視した梯子形フレーム形式 (自動車)|フレーム(ラダーフレーム)を使い続け、サスペンションも前後とも固定車軸|固定軸を用いるという、ジープ以来の伝統的な四輪駆動車の構成を固持する、小型四輪駆動車としては独自かつ希な存在である。小型軽量ボディやラダーフレーム、車軸懸架|リジッドアクスル式サスペンション、大径タイヤなどの優位性により、純粋な悪路の踏破性能では
四輪自動車としてトップクラスの性能を持ち、クロスカントリー競技のベース車としても定評がある。また山岳地帯や豪雪地帯ではその機動力を買われ、ミニパトロールカー、消防関連、治水管理関係などの公用車や、郵便|郵便車としても多く採用されている。2000年に二輪駆動|2WD(FR)車が発売されたが、現在は4WDのみのラインナップとなっている。約40年近い歴史で細かい改良は多いものの、フルモデルチェンジはわずか2回というモデルライフの長さも特筆すべきものであろう。
車名
車名の由来はJeep |ジープ(Jeep)とMiniをあわせた造語からと言われているが、メーカーの公式発表では「発音のしやすさ、覚えやすさなどから作った造語である」とされている。北米発の愛称は「Suzy(スージー)」。軽自動車として同一車種名での歴史の長さを誇る車種のひとつである。誕生から長い間、法定費用の面で有利な軽貨物自動車|貨物となる4ナンバー規格で販売されており、5ナンバーの軽乗用車|乗用仕様の登場は1995年からと、比較的新しい。貨物仕様は1998年に廃止された。
販売
マツダへOEM供給されたモデルはマツダ・AZ-オフロード|AZ-オフロードの名で販売されている。1977年に発売されたSJ20以降、普通車登録のジムニーも発売され、海外でも販売されている。海外では、輸出、ノックダウン生産、現地生産を含め、多くの国で販売されており、現地で荷台や車体を架装したピックアップトラックやステーションワゴン|ワゴン(4ドアもある)など、ロングホイールベース車の比率も高い。車名も、「ジムニー」のほか、時期や仕向け地によって、「ブルート」、「サムライ」、「SJ410 / 413」、「シエラ」などを使い分けている。
歴史
開発前史
ジムニー開発のきっかけは、かつて軽オート三輪の先駆的メーカーでありながら、大手に押されて自動車業界からの撤退に至ったホープ自動車から、同社が開発した軽四輪駆動車「ホープスター・ON型4WD」(1967年完成)の製造権を、当時スズキ東京社長、現スズキ会長である鈴木修 (実業家)|鈴木修が、社内の反対を押し切る形で買い取ったことに端を発する。ホープスター・ON型4WDは軽自動車ながら高い性能を備えた四輪駆動車だったが、ホープ自動車の創業者で「ON」の開発者でもある小野定良は、この設計を商業的に活かすにも、もはや自社に量産、販売能力がないと判断し、大手メーカーへの製造権譲渡を決意した(ホープ工業は同時期に遊園地の遊具開発に業態転換することで会社の命脈をつないだ)。小野は当初、ON型4WDのエンジンやパーツの供給元であった三菱重工業(三菱自動車工業が分離されたのは1970年)に売り込んだが、ジープの生産を行っていた三菱からは理解を得られず、スズキに提案を行ったところ、鈴木修が「軽四輪駆動車」というユニークなプランに関心を示し、ホープ側から製造権を買い取った。(資料によれば当時の金額で約1200万円程だったと言われている。)このときスズキの幹部からは「売れなくて撤退した車の製造権を買ってどうするのか」、「社長の道楽」、「もしこんなものが売れたら社内をちょうちん行列で歩いてやる」という批判があったとの話もあり、鈴木修を除いた周囲からは、期待されていなかった模様である。 ごく少量が生産、販売されたホープスター・ON型4WDの組み立ては、ほとんどが手作りで、三菱自動車|三菱エンジンのものが15台、検討用にスズキから依頼された、スズキエンジンのものが3台生産されたにとどまっている。結果としてホープスター・ON型4WDは、ジムニーのプロトタイプとしての役割を果たした。
初代
初代第1期(1970年〜1972年)
LJ101970年4月に軽自動車初の本格四輪駆動オフロード車として発表。ホープスター・ON型4WDのドライブトレインは、前後車軸懸架|リジッドアクスル、16インチホイール、2速のトランスファーなど、ジープ同様の本格的な構成であった。そこでスズキでは、ON型4WDの優れた機能はそのままに生かしながらも、自社生産向けに大変更を加えた。パワーユニットは自社の軽トラック・スズキ・キャリィ|キャリィ用のエンジンとトランスミッションを利用し、ON型4WD同様に軽自動車枠内に収めた。規格品の鋼材を積極的に導入し、他の部品も自社の既存のものをなるべく流用することでコストを抑えた。また作業車としての用途に応えるため、トランスファーへPTO(動力取り出し装置)を組み込んで動力を取り出し、ウインチを動かすことができるようにした。このPTOウインチは、SJ10/20まで純正オプションとして設定されている。その一方でスタイリングを重視し、武骨な形のON型4WDに比べ、スポーツ性を取り入れたデザインとなった。また商用車扱いとして販売価格を抑えるなど、購買、設計、生産技術、デザイン、営業などとの全方位的な折衝の末、商品として成立させた。発表されると、維持費の安い軽自動車でありながら、大型の四輪駆動車以上の機動力を発揮する実用性で、「それまでにない軽自動車」として市場に評価され、スズキの販売力もあって、大きな商業的成功を収めることとなった。当時のキャッチコピーは「自然に挑戦する男のくるま」、「男の相棒☆ジムニー」、「最前線志願」であり、カタログなどで使用された。
初代第2期(1972年〜1976年)
LJ20-11972年5月発表。LJ10との大きな違いは、エンジンを空冷から水冷エンジン|水冷に変更したこと。水冷となって快適な温水式ヒーターを得たことと、ライトバン|バンモデルのLJ20Vが追加されたことも相まって、雪国や寒冷地を中心に販売台数を伸ばした。また1972年7月には、ソニーと共同でLJ20にソニーの18型カラーテレビとUマチック方式のビデオテープレコーダ|ビデオデッキを搭載した「ビデオジムニー」を発売した。トランスファーのパワーテイクオフ|PTO装置を使って発電し、電力を供給する仕組みであった。法人や自治体を販売対象と想定して、電源の無いところでビデオの録画及び再生ができることをうたい、東京モーターショーにも出品したが、結局1台も売れなかった。ビデオジムニー専用の部品もあり、パーツリストには記載されている。LJ20-21973年11月発売。フロントマーカーランプ(車幅灯)とフロントターンシグナル(方向指示器)が分離され、リアターンシグナルランプが赤から橙色に変わった。1975年2月、幌モデルに向かい合わせの後席を持つ4人乗りのLJ20Fを追加。居住空間捻出のため、スペアタイヤは荷室から車体背面に移動され、幌後半の高さも嵩上げされる。
画像:Suzuki Jimny LJ20 002.JPG|水冷を示すデカール
初代第3期(1976年〜1981年)
SJ10-1型
1976年6月発表。1976年の法律改正により軽自動車の規格が変更され、それに対応して、旧規格の車体サイズのまま、新しいスズキ・LJ50型エンジン|LJ50型 2ストローク機関|2ストローク 水冷エンジン|水冷 直列3気筒エンジンを搭載し、排気量を550 cc(539 cc)へと拡大する。愛称は「ジムニー
SJ10-2型
1977年6月 新規のホーシングとオーバーフェンダーにより、トレッドと車体サイズを拡幅する。
エンジンフードは盛り上がった形状となり、前端にはインテーク|エアインテークが設けられた。
SJ10-3型 / -4型
1978年11月 前照灯|ヘッドランプの取り付け位置(光軸中心)が下がり、それに伴いフロントグリルのデザインが変更される。
SJ20 ジムニー8
1977年7月 発表。SJ10の車体に排気量800ccのF8Aエンジンを搭載した輸出仕様のLJ80をもとに、日本国内向けとしたものである。このF8Aは、スズキでは初めての4ストロークエンジンだった。軽自動車の枠には納まらず小型自動車|小型車(登録車)となった。日本国内での登録台数は、1,799台にとどまっている。
2代目
2代目第1期(1981年〜1984年)
SJ301981年5月に発売。11年ぶりのフルモデルチェンジとなり、快適性や操作性など、乗用車としての性能を向上させた。同時期、すでにスズキの軽自動車のほとんどは4ストローク機関|4ストロークエンジンの「F5A型」に移行していたが、不整地では低回転時のトルクが重要となるため、スズキ・LJ50型エンジン|LJ50型が継承された。エンジンの改良により、最高出力は28Psに向上した。日本では最後の2ストローク機関|クランクケース圧縮型2ストロークエンジン搭載の4輪自動車となった。このSJ30型は、同じ軽自動車規格の4ストロークターボチャージャー|ターボエンジン車であるJA71型の登場後も、エンジン、電装系、内装等のマイナーチェンジを行いながら、1987年まで生産が続けられ、併売された。なおCMコピーでは「ジムニー」だけになったが、SJ30もJA71発売以前(-3型まで)の正式な商標はSJ10から引き続き「ジムニー55」である(取扱説明書に記載されている)。
SJ40 ジムニー1000
日本国内では、1982年8月に発売。1981年にSJ410の輸出が始まり、海外で販売台数を伸ばしていた。しかし、ジムニー8の販売が芳しくなかったこともあり日本国内での販売は計画されていなかった。ところが、ユーザーから国内販売を求める声があがり、ユーザーの希望にこたえる形で国内販売された。エンジンは、SJ20に搭載されたF8Aをボアアップし、970ccとしたF10Aを搭載した。このF10Aは、当時のスズキでは最大排気量のエンジンであり、スズキ・セルボ|セルボの輸出仕様車 ( SC100 )に搭載されていたものである。2代目となるボディやフレーム、駆動系は、直列4気筒|4気筒のF10Aの搭載を前提として設計されている。また、国内で販売されたジムニーでは初めてピックアップトラック|ピックアップモデルが設定されたが、販売台数が321台と伸びず、この形式のみとなっている。荷箱は同社のスズキ・キャリィ|キャリィのものを流用している。また、2型であるSJ40T-DTはカタログには載ったものの、実際は販売されていないモデルとなった。ピックアップであるため、通常のモデルよりもホイールベースや全長が長くなっている。軽自動車枠のSJ30とは異なり、195SR15タイヤを標準装着としていたが、15インチホイール(5.5Jオフセット+10)は、PCD139.7mmの6穴仕様となった。これは、ホイールを軽モデルに流用できないようにするため、当時の運輸省の指導があったためとされる。ピックアップモデルのみ16インチホイールを採用したため、軽モデルと同じ5穴ホイールとなっている。1986年の貨物自動車排出ガス規制に対応するため、小型車登録のジムニーはJA51に移行した。軽貨物車は昭和53年規制で普通乗用車同様の規制値が適応されていた。日本国内での登録台数は、6,558台であった。国内では3年ほどの販売であったが、海外モデルであるSJ410は、スペイン、インド、タイ、インドネシアなどで1998年頃までノックダウンおよび現地生産されていた。
画像:Suzuki SJ410 hl blue.jpg|SJ410(幌モデル)のリア
画像:1984-2007 Suzuki Sierra.jpg|バンモデルのリア
2代目第2期(1984年〜1990年)
JA71
1986年1月に発売。それまでの2ストロークエンジンに代わり、軽規格のジムニーでは初めて4ストローク機関|4サイクルターボチャージャー|ターボエンジンが搭載された。550ccのターボチャージャー|ターボエンジンと、5速マニュアルトランスミッションの組み合わせにより、高速走行での余裕と静粛性は高まった。低回転時のトルクが2サイクルに比べ不足する反面、ターボが効くと出力が急に立ち上がるという二面性を持つため、オフロードでのスロットル操作はシビアになった。スズキ自身もその点を良く把握しており、実用グレードとして、従来の2ストロークエンジンを搭載した、SJ30型も併売となった。1987年11月 インタークーラー装着車登場 インタークーラーの追加により最大加給圧が上昇し、約15馬力の出力向上を果たした。
小型車のJA51で登場していたパノラミックルーフが追加される。ハンドブレーキ|サイドブレーキもセンターブレーキから通常の後2輪制動式に変更され、フロントグリルもボディー同色の鋼板製からJA51型同様の樹脂製となり、フォグランプが内蔵された。
内装は後のJA11と共通の物となるなど、主要部品の多くがJA11でも引き続き使用される事となる。1989年11月軽ジムニー初の特別仕様車、「ワイルドウインドリミテッド」(1000台限定)発表。
画像:Suzuki Jimny JA71 001.JPG|3型インタークーラーターボ
画像:Suzuki Jimny JA71 006.JPG|パノラミックルーフ
JA51 ジムニー1300
1984年11月に発売
スズキ・カルタス|カルタスに搭載されていた3気筒のG10Aエンジンに1気筒を足して1300となったG13Aエンジンを搭載。G13AエンジンはG10Aエンジンに比べ1気筒増えたにもかかわらず、アルミニウム|アルミを多用し、約20kg軽量となった。また、普通車ジムニー初の5ナンバープレート (日本)|ナンバー登録(乗用車|乗用)車が登場。1985年12月 ハイルーフに明かり取り窓を備えたパノラミックルーフを追加。1986年10月 普通車ジムニー初の特別仕様車「ウインターアクションスペシャル」(100台限定)を発表。
2代目第3期(1990年〜1995年)
JA11
1990年2月発表。軽自動車の規格拡大により110cc排気量がアップされ、前後バンパーも大型化された。これによりJA71ではフロントグリル埋め込みだったフォグランプの位置が、バンパー上に変更された。サスペンションスプリングとショックアブソーバー|ダンパーの見直しが行われ、オンロード、オフロード共に乗り心地と操縦安定性が向上した。モデルチェンジ (自動車)|マイナーチェンジでパワーステアリングや3速オートマチックトランスミッション|ATの採用、実用域でのエンジントルクの向上等、年毎に改良が続けられた。また、限定車を頻繁にリリースすることで市場での競争力を維持すると共に、その中で評価の高い装備を標準化する方針が採られた時期でもあった。エンジンの扱い易さには定評があり、多くのアフターマーケットパーツにも恵まれたため、オフロードユースのユーザーから多くの支持を得た。1990年10月 限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表(バンHCベース、1000台限定)。1991年6月 2型となり、グリルなど外観を変更。最高出力が58psに向上。ラジエターファンのシャフト接続を直結からフルードカップリング接続へ変更した。1991年11月 限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表(バンHCベース、2400台限定)。パワーステアリングが初めて装備される。 1992年7月 3型となり3速AT車が設定された 。カーキャリア|ルーフキャリアを標準装備とした、限定車の「スコットリミテッド」を発表(バンHCベース、3000台限定)。1992年11月 限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表(バンHCベース、3500台限定)。
1993年6月 限定車の「スコットリミテッド」を発表(バンHCベース、3000台限定)。1993年11月 限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表(バンHCベース、5000台限定)。1994年4月 4型発売。一部のグレードにパワーステアリングを標準装備。安全関連装備の見直しも行われる。1994年6月 限定車の「サマーウインド」を発表(バンHCベース、4500台)。JA11唯一の赤系塗装車を設定。1994年11月 限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表(バンHCベース、5000台)。1995年2月 5型へマイナーチェンジ。これに先駆け、特別仕様車の「ランドベンチャー」を発表(バンHCベース)。フルトリム内装を採用し、最高出力が64ps / 10kg・mにパワーアップされた。追って5型標準車も64psへと揃えられる。
Image:Suzuki Jimnuy JA11V 003.JPG|5型のパイロットモデルとなったランドベンチャー
JB31
1993年5月発表。スズキ・エスクード|エスクードの登場により廃止された国内用登録車(小型車)ジムニーが、JA51以降の復活となる。日本市場への再投入で、型式(かたしき)はJB31となり、トレッドのワイド化、燃料噴射装置|燃料供給のインジェクション化、ギアリングの更なる高速化など、北米市場に合わせた改良がなされた:en:suzuki SJ|サムライがベースとなっている。軽ジムニーとの差別化のため、サブネームとしてオーストラリア向けジムニーに使われていたSIERRA(シエラ)が追加された。サムライのマイナーチェンジで、G13A型エンジンはわずかに1.3Lを越え、仕向け地によっては、税金や保険の区分で不利益をこうむるため、排気量を1.3L未満に抑えたG13B(G13BA)型エンジンへ変更された。なお、JA51までの小型登録(登録車)ジムニーは、一輪あたりの荷重負担値(強度)の関係から、軽ジムニーのホイールを流用できないよう、国内仕様のみ6穴ホイールであったが、新規格の軽ジムニー用ホイールの強度が上がったことと、規制緩和でその縛りが無くなり、JB31からは、再び5穴ホイールとなっている。
1993年11月から3速AT車設定。1994年6月 限定車エルク(1000台限定)発売1995年5月 「シェラデザインズリミテッド」発売
2代目第4期(1995年〜1998年)
JA12 / JA22
1995年11月発表。ジムニー史上初めてサスペンションにコイルスプリングを採用し、主にオンロード走行における快適性を向上させたモデルとなった。それまで軽モデルは貨物車(4ナンバープレート (日本)|ナンバー)のみであったが、同年に三菱自動車工業|三菱から三菱・パジェロミニ|パジェロミニが出たことを受け、乗用車(5ナンバー)も登場した。後に4ナンバー車は消滅することになる。JA22には、ジムニー史上初のDOHCとなるK6Aエンジンが搭載され、パワーの向上が図られた。同時に高速時の静粛性向上のため、トランスファー・ハイレンジのハイギアード化も進んだ。これらは三菱・パジェロミニ登場以降の市場の要求によるもの。旧来からのRVブームなどに左右されないジムニーユーザーの使用状況や業務や山間部などでの使用ニーズに合わせ、F6A型 SOHCエンジンを搭載したJA12系のバンおよび幌モデルは、従来どおりのギアリングのまま残された。パワーステアリングは、JA22は電動式、JA12には油圧式が採用されている。後期型ではフロントハブの動力断続に、エアロッキングハブを用いたドライブアクション4WDシステムが搭載された。1型をもって、軽モデルとしてはJA71-3型からの設定であった、パノラミックルーフ車が廃止された。1997年ごろのCMソングにPAMELAHの「やさしいキミ」が起用されていた。
Image:Suzuki Jimny JA12W 002.JPG|ワゴン ( JA12W )
ハードトップ XL
JB32 ジムニーシエラ
JB12 / 22の登場に合わせて1300シリーズもサスペンションスプリングがコイル化された。G13Bエンジンは1カム16バルブ化され出力が向上した。すぐに特別仕様車ELK(エルク)仕様が発表されたため、実際販売された車輌はこの仕様ばかりである。JB31では軽モデルと左右スプリングの取付けスパンが異なっていたが(サムライの訴訟による改良)、JB32はJA12 / 22とコイルスプリングの位置は共通で、アクスルハウジング(ホーシング)の延長でワイドトレッド化している。広いトレッドど狭いスプリングスパンを持つため、オフロードのクロール|クローリングでの脚の伸び(接地性)が向上したと言われている。3代目(1998年〜)
JB23
1998年10月 JB23W-1型 発表。(JB23W-100059〜125412)軽自動車規格の改正に伴いフルモデルチェンジされた。デザインはそれまでの箱型から丸みを帯びたものに大きく変更され、車体寸法も拡大された。乗車定員は4名で、幌やライトバン|バンモデルは無く、5ナンバープレート (日本)|ナンバーワゴンのみの設定となる。
(ただし郵政仕様など(現:日本郵便仕様)は貨物化改造され4ナンバー登録されている)ジムニー伝統のフレーム形式 (自動車)|ラダーフレームと、前後リジッドアクスルサスペンションを継承し、フレームは衝撃吸収構造へ、サスペンションは3リンクへと、いずれも新設計され、オンロードでの操縦安定性と、オフロードでの走破性の向上を果たした。また、フロントの差動装置|デフキャリアには、アルミニウム|アルミ製がおごられているが、これは軽モデルのみの仕様となる。グレードは、黒バンパーで装備を簡略化したベーシックな「XA」、量販グレードの「XL」、最上級の「XC」の3種。それぞれに5速マニュアルトランスミッションと、4速オートマチックトランスミッションを設定し、計6車種でのスタートとなった。パワーウィンドウや集中ドアロック(1型 XA は非装着)、エアバッグとアンチロック・ブレーキ・システム|ABS(1型はセットオプション)などの装備も、乗用車同様に網羅された。1999年10月 2型(JB23W-200010〜208859)へ変更。自動車排出ガス規制|排出ガス規制に対応する改良のほか、エアバッグ、アンチロック・ブレーキ・システム|ABSを標準装備し、安全装備も充実している。XA にもパワーウィンドウが装備された。2000年4月 3型(JB23W-210001〜242251)となり、アンチロック・ブレーキ・システム|ABSユニットなどが変更される。2000年9月 2WDモデルの「ジムニーL」を追加設定。2001年2月 2WDモデルのジムニーLの後継車種として、専用フロントグリルと専用バンパー、15インチホイールタイヤなどが装備された「ジムニーJ2」を発売2002年1月 4型となる(JB23W-310014〜348640)。独立したグリルが採用され(J2でも採用)、エンジンの改良が行われた。同時に2WDモデルが廃止される。2004年10月 5型となる(JB23W-400001〜)。マイナーチェンジ。インパネ意匠変更、トランスファーの切り替えがレバーからスイッチへ変更される。同時にトランスファーの型式が変更になり、Hi / Loのステップ比(それぞれのギア比の差)が大きくされた。
マニュアルトランスミッションは、オーバードライブタイプ(1:0.790)を止め、5速を直結(1:1.000)とし、代わりにデフを1:5.375から、1:4.909へと高速化した。これによりシエラを含め、M / T、A / Tの区別無く、ファイナルレシオは一種類に統一された。2005年10月 6型となる(JB23W-500001〜)。ドアミラー変更およびマニュアルヘッドライトレベライザー等の装備がされる。
JB23型の特別仕様車
1999年6月 ファッションデザイナーの山本寛斎が内外観をプロデュースした特別仕様車、「KANSAI」を発表。2種類の専用色、マッドフラップ、スキッドプレート、本革巻きステアリングホイール、ホワイト速度計|メーター、炭素繊維|カーボン調ダッシュボード|インパネガーニッシュなどを追加、価格は XC の15万円高。1型唯一の特別仕様車。*ワイルドウインド
2000年5月 ジムニー30周年記念特別仕様車としてワイルドウインド発売。
ランドベンチャーと交互に毎年春頃発売されていたが、FISとの契約終了にともないFISワールドカップリミテッドが終了してからは冬頃の特別仕様車として使われるようになった。*FISワールドカップ|FISフリースタイルワールドカップリミテッド
2000年11月発表。以後、2002年1月、2002年11月、2003年11月と、スキーシーズン毎にリリースされる。*ランドベンチャー
2001年5月発表。以後、毎年春頃に発売される。
JB33 ジムニーワイド
''1998年1月 JB33W-1型 JB33-100001〜''
軽自動車|軽規格のJB23型ジムニーに先行して発表された。
ワイドトレッド用のホーシングと、オーバーフェンダーが特徴。軽ジムニーとは異なり、フロントの差動装置|デフキャリアは一般的な鋳鉄製である。
JB33のエアロッキングハブのボルトの頭はJB23で採用された6星ボルトと異なり、12星ボルトであった。エンジンは G13B 型を JB32 型から踏襲しているが、点火方式をデスビ+フルトランジスタ点火式から、デスビレスの同時点火(2コイルプラグヘッドコイル)とした他、カムプロフィールが多少異なる。4速AT車はロックアップモードを持ち JB23 用4速ATとは異なる。「JZリミテッド」という特別仕様車が存在する。JB23およびJB33のCM等のイメージキャラクターには俳優の織田裕二を起用していた。''1998年7月 JB33-11562〜''
タイロッドエンド形状を変更。一部のアルミホイールが装着できない状況を改善。''1999年10月''
JM を廃止。上級グレードの JZ のみとなる。最終JB33-116353
画像:Suzuki Jimny Wide 001.JPG|パトカー仕様
画像:Suzuki Jimny Heck.JPG|欧州向け リア
JB43 ジムニーシエラ (ジムニーワイド)
''2000年4月 JB43W-2型 JB43W-100001〜''
(当初から1型は存在しない。エンジン変更をマイナーチェンジととらえた特殊な表記である)
グレード表記を変更。JZ を「ベースグレード」へと改称。
以後、装備のバリエーションは「特別仕様車」が補う。
エンジンを M13A 型へ変更した JB43W は、当初、ジムニーワイドの名称のまま販売される。''2002年1月 JB43W-3型 JB43W-110001〜''
「ジムニーシエラ」に改名。日本国内でのシエラの名は、1998年1月に JB32W の販売を終了して以来の復活となる。''2004年10月 JB43W-4型 JB43W-200001〜''
JB23 とともに4型となり、ダッシュボード|インパネ意匠、トランスファー切り替えをレバーからスイッチとするなどの変更を受ける。''2005年10月 JB43W-5型 JB43W-300001〜''
ドアミラー変更、およびマニュアルヘッドランプレベライザー等の装備が追加される。''2006年1月''
カーキャリア|ルーフキャリア、撥水素材の内装トリムなど、アウトトドアライフ向け装備を充実させた特別仕様車、「ワイルドウィンド」を発表。2006年4月までの期間限定生産となる。2006年11月、2007年11月にもリリースされる。''2006年6月''
茶系の革|本皮シートを採用した特別仕様車、「ランドベンチャー」を発表。2007年6月にもリリースされる。2007年の特別仕様車に関しては2006年からの輸出モデルに採用された形状のフロントバンパーが装備される。
JB33及び3型までのJB43型は、JB23と異なる遮光傘内蔵のヘッドライトを採用している。JB43-3型からはJB23とヘッドライトが共用となったが、海外用は依然遮光傘を採用している。
海外輸出と現地生産
:SJ413ロングホイールベース仕様はその後カナダでは販売されていた。*インドではスズキの子会社であるマルチ・ウドヨグ(:en:Maruti Udyog|Maruti Udyog)社が「ジプシー」(:en:Maruti Gypsy|Maruti Gypsy)という名称で最初は日本でいうSJ40系に相当するモデル(SJ410)を、後にJA51系に相当するモデル(SJ413/413W)を ノックダウン生産している。
:日本では販売されなかったロングホイールベース車が中心であり、2WDモデルも多く販売されている。
:多くの派生ボディが存在し、4ドアステーション|ワゴンも存在する。SJ413のフロントマスクは、後期になるとJA11系統のものになっている。
:また、インドで生産したSJ410を「SUZUKI STOCKMAN 4WD」として、オーストラリアへ輸出していた。*オーストラリアでは、日本でいうSJ10に相当するモデルをLJ50として、SJ20に相当するモデルをLJ80として販売された。LJ50およびLJ80には、現地での使用状況に合わせ、日本では販売されなかったピックアップトラック|ピックアップモデルが設定されていた。
:後に販売されたSJ410およびSJ413は「SIERRA」(シエラ)という名称で販売された。
:ロングホイールベース車も設定され、現地メーカーによるFRPトップを装着した車両もあった。
:また、ゼネラルモーターズ|GMとの提携に基づき、GMの現地ディーラーであるホールデン (自動車)|ホールデン(:en:Holden|Holden)に車体を供給し、「DROVER 4WD」として販売された。スズキブランドである「SIERRA」との違いは、フロントマスクのデザインと、角形となったヘッドライトである。また、現地企業ヴランドのため、税制面での優遇措置があり、「SIERRA」より安く販売されていた。*スペインでは、現地法人であるサンタナ(:es:Santana Motor|Santana Motor)が生産を行っている。SJ410から生産を開始し、現在は日本でいうJB33/JB43型に相当する1300モデルが生産され、欧州で販売されている。
:サンタナで生産されたSJ410には、「SANTANA」の銘板が付けられた。また、F10Aエンジンのヘッドカバーにも「SANTANA」のロゴが鋳込まれている。
:JB43に当たるモデルには、日本仕様には無いカブリオレや、ルノー製コモンレールディーゼルターボエンジン搭載車等が存在する。
:2006年モデルからフロントバンパー形状などが変更された。*タイ王国|タイなど、東南アジアでは日本でいうJA51型系統に相当する1300ccモデル(SJ413W)が「カリビアン」の名称で販売されている。インドネシア製を含めたこれらのクルマは、参考出品の形で東京モーターショーに度々展示されている。
:ロングホイールベース車で、近年のモデルはJA12 / 22のフロントマスクになっているが、現地の事情に合わせ、OHC8バルブのエンジンと前後リーフ式サスペンション|リーフリジッドサスペンションを踏襲している。*台湾など、アジア仕様のJB43相当車(SN413-2005モデル)搭載のM13A型エンジンには可変バルブ機構|VVTが採用されていない。
:2006年モデルからは日本仕様のものとは異なるバンパーが採用されている。(のちに日本仕様の特別仕様車に流用される)
:なお台湾には2006年6月現在ATモデルのみの販売。
転倒訴訟
1988年6月に「サムライ」が、コンシューマー・レポートにより、横転しやすい危険な車としてアメリカ政府にリコールを要請された。これは「Jターン」と呼ばれる急旋回テストを行った際、タイヤをリフトさせたという実験結果に基づいたものとされている。
さらにこの事がテレビ番組「:en:60 Minutes|60 Minutes」に取り上げられたことで、購入代金返還を求める集団訴訟が起こされた。この訴訟は、事故の状況や関係者の証言から、全米ハイウェイ輸送安全局(:en:National Highway Traffic Safety Administration|NHTSA)が、「すべてのサムライの事故は道路状況や無謀運転が原因」と裁定し、結果的に勝訴となった。
この後サムライは、ワイドトレッド化、左右スプリングの取り付けスパンの拡大、ばねやショックアブソーバー|ダンパーレートの見直し、低ハイトタイヤの採用などにより、低重心化と操縦安定性の向上が図られたが、この訴訟によって一般消費者の間には危険な車であるというイメージが残り、販売台数が激減した。さらに1989年には、ビターラ(エスクード)を含めた小型SUV車の関税が10倍にも増やされたこともあり北米での販売は中止となった。JB33 / 43相当車の北米での販売はされていない。
映画、ドラマでの使用
:SJ30FKを使用していたが、撮影用ナンバープレートは普通車仕様であった(窓に貼られていた検査標章は軽自動車仕様)
参考文献
関連項目
外部リンク
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