特集:
2008/06/12 日記<スズキ・エスクード>
スズキ・エスクード
エスクード(Escudo)は、スズキ (自動車メーカー)|スズキから発売されているSUV型自動車。1988年に登場し、ライトクロスカントリー|クロカンというジャンルを築きあげた車である。
概要
カナダではゼネラルモーターズとの合弁事業|ジョイントによるCAMIオートモーティブで、また、スペインではサンタナ|サンタナ・モトールで生産される世界戦略車でもあり、車名も国により様々で、初代がサイドキック(:en:Suzuki Sidekick|Sidekick:北米)、ビターラ(:en:Suzuki Vitara|Vitara:欧州)、2代目は4気筒モデルがビターラ、V6・ロングモデルがグランドビターラ(:en:Suzuki Grand Vitara|Grand Vitara)、3代目はグランドビターラの名称で販売されている。また、ゼネラルモーターズとの提携の一環で、以前は北米市場で、「ジオ (自動車)|ジオ」、「アスナ (自動車)|アスナ」、「シボレー」、「ポンティアック」、「GMC」などを通じてOEM供給されていた。このクラスのSUVは、乗用車感覚で使われることが多いが、エスクードは一貫して強固なフレーム形式 (自動車)|ラダーフレームを採用している。これは、設計のしやすさと、堅牢性を両立させたためである。ライバル車のモノコックボディーと比較して、本格的と見るか、割り切りの悪さと捉えるかは、人それぞれである。2005年、フルモデルチェンジされた3代目ではセパレートフレームを止め、モノコックボディーに頑丈なラダーフレームを溶接し、一体化した、「ビルドイン ラダーフレーム」と呼ばれるユニボディー構造となった。高級車を生産していないスズキにとって2007年に日産・セレナのOEM車スズキ・ランディ|ランディが登場するまでは日本国内における事実上のフラッグシップモデルであった。歴史
初代(1988-1997年)
1988年5月の発売当時、SUVのほぼ空白地帯であった1600ccクラスにスズキが満を持して投入したモデル。当初は3ドアのコンバーチブルと、ハードトップだけのラインアップであった。日本国内では、ハードトップに登録区分の違いによる、4ナンバーのライトバン|バンが設定された。直線を基調とした欧州調のスタイルと、泥臭さを感じさせない乗用車感覚の内装、それに、低価格が相まって大ヒットとなった。このモデルの誕生がなければ、トヨタ・RAV4や、ホンダ・CR-Vの存在もなかったかも知れない、とさえ言われている。意欲的な思想はサスペンションにも現れており、フロントは乗用車では一般的なストラット式サスペンション|ストラットとコイルスプリングの組み合わせで、リアは、車軸懸架|リジッドアクスルの位置決めに、初代ランドローバー・レンジローバー|レンジローバーのような「センターAアーム」を用いている。この形式の組み合わせは、日本車での採用例はこの初代エスクードが唯一であり、クロスカントリーなどのオフロード走行では、フロント独立懸架の弱点である、ホイールストロークの短さを、良く動くリアが補っている。1990年9月に追加された5ドア車は、ロングツーリングにも使えるイメージから、「遊牧民」を意味する「ノマド」のサブネームが付けられ、これもまたヒット作となった。1994年12月のマイナーチェンジの際には、内装が従来の角張ったものから丸みを帯びたものとなり、スズキ初の2000ccV型6気筒|V6エンジンと、2000cc直4ディーゼルエンジン|ディーゼルターボチャージャー|ターボを積むモデルが追加された(ただし、レジントップ仕様とコンバーチブル仕様(いわゆる幌仕様)には、V6エンジンとディーゼルエンジンはなかった)。追加モデルは、フロントのデザインが、独立グリルに変更された。また、重量と出力の増加に対応すべく、フレームの強化、ストラットタワーバーの追加、タイヤサイズとトレッドの拡大などの対策が採られている。トレッド拡大によるオーバーフェンダーの装着で全幅は広がり、前後バンパーの大型化により、全長も伸びたが、室内容積は従来モデルと変わっていない。ディーゼルエンジンはスズキの内製ではなく、マツダからマツダ・RF型エンジン|RF型の供給を受けている。またその見返りとして、マツダヘマツダ・プロシードレバンテ|プロシードレバンテとしてOEM供給を開始した。1995年には、エスクードを種車に、北米市場を狙った2シーターの派生モデル、スズキ・X-90|X-90が発売された。オフロード版のスズキ・カプチーノ|カプチーノといった趣きであったが、商業的には失敗で、日本国内では完全に珍車扱いされ、北米市場を含め、売れ行きは本家のエスクードと比べて散々なものであった。1996年には、2500ccV6エンジンモデルが追加され、2000ccエンジンはV6から直4となる。また、この時から5ドア車の「ノマド」の名称が消滅し、3ドア、5ドアという呼称となった。
2代目(1997年-2005年)
初代とは打って変わったスタイルで、1997年に誕生した。この変更はGMからの要請によるもので、スズキによるスタイリング案ではない。スズキのデザイナーは、涙を飲んでクルマを仕上げたという。セパレートフレームを持つことは初代と同じであったが、リアサスペンションが新設計ではあるが5リンクリジットとなりラテラルリンクを持つ陳腐なものへと後退した。インテリアではリヤシートがダブルフォールディング分割となっており、フロントシートのヘッドレストを外して倒すことでフロントからリヤシートバックまでのフルフラットシートが可能となるなど、先代モデルに比べて居住性が大きく向上している。当初のラインナップは1600cc、2000cc、2500cc、2000ccディーゼルと初代のラインナップをほぼ引き継いでいたが、2500ccと2000ccディーゼルは5ドアのみとなり、コンバーチブルは国内向けモデルからは消えた。引き続きマツダへのOEM供給も行われたが、マツダ・トリビュート|トリビュートの発売を機に2000年に終了する。
なお、アメリカ市場向けに2700ccに排気量を拡大、車体を延長して3列目のシートを追加し7人乗りとしたスズキ・グランドエスクード|グランドエスクードが、2000年に派生モデルとして登場している。
3代目(2005年-)
2005年5月16日に8年ぶりのフルモデルチェンジで3代目に。ラダーフレームからモノコックフレーム(ただしラダー構造はシャシー下部に埋め込まれる形で残されており、スズキではこれを「ビルトインラダーフレーム」と呼称している)、パートタイム4WDからフルタイム4WDと、根本から変更となるが、HI-LO切り替えの副変速機は健在。グランドエスクードは消滅し、エンジンは2000ccと2700ccの2種類で、5ドアのみとなる。同クラス他車種のほとんどはATのみのラインナップであるのに対して2000ccのグレードだけではあるがMTを残している。
現行車種で税込み220万円台という価格は、極めてコストパーフォマンスが優れているといえる。2006年6月12日、新グレード「1.6XC」発売開始。輸出向けのみ設定されていた3ドア車が日本市場に再投入された。これは欧州モデルをベースにしていると思われ、エンジンは1600cc (プレミアムガソリン仕様)、変速機は5速MTのみで、価格は176万4000円。ただし、5ドアモデルには装着されている副変速機がなぜか1.6XCには装着されていない。2007年5月、3ドアモデル国内ラインナップから消滅。
Image:Suzuki Grand Vitara front 20070902.jpg|3ドア
Image:Suzuki Grand Vitara rear 20070902.jpg|3ドア(リア)
Image:Suzuki H27A engine 001.JPG|H27A型 V6 2.7lエンジン
パイクスピーク
「雲に向かうレース」とも称されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに出走するためのスペシャルマシンが存在し、1994年から出走。ドライバーにはモンスターの異名を持つ田嶋伸博が起用され、また優秀で経験豊富なエンジニアとして、エスクードより前に製作されたスズキ・カルタスの時代に世界でも類を見ないツイン・エンジンレイアウトを実現させており、その能力はこのエスクードにも遺憾なく発揮されている。1994年から参戦を始めたエスクード・パイクスピーク仕様の全てに共通することは、エスクードのデザインの面影を多少残しているものの、あくまで名前を借りている程度のことに過ぎず、エンジンのみならずフレームそのものを全て一から設計、製作された、ワンオフのレーシングカーということである。エントリークラスは、改造範囲無制限、安全さえ保障されればほとんどなんでもありのアンリミテッド・ディビジョンにのっとっている。パイクスピークの地理的特性として、山頂4000m以上の高地で行われるために酸素が薄く、登頂するほどパワーダウンの傾向が強くなるので、このクラスのエンジン出力はあらかじめ非常に高く設定されている。エスクードも例外ではなく、参戦当初から800馬力のハイパワーを誇っている。1995年にはこのエスクードを駆る田嶋が、天候不良のためゴール地点の標高が引き下げられ、コースが短縮されたことが好影響したことなどもあり、見事総合優勝を遂げている。また2006年には、5年ぶりにパイクスピークに参戦した田嶋が、1995年同様に天候不順のためコースが短縮された中で再び総合優勝を飾った。このマシンはツインエンジン仕様ではないが、搭載されるV6ツインターボエンジンの出力は940馬力(公称値)と言われ、相変わらずのハイパワーを誇る。ちなみにこのエスクードのパイクスピーク仕様は、プレイステーション・プレイステーション2用のゲーム『グランツーリスモシリーズ』にも登場する(シリーズによって登場する年式は異なる)。
ダカール・ラリー
エスクードもプライベーターでダカール・ラリー(通称パリダカ)への参戦実績がある。神奈川県綾瀬市にあるスズキ・ジムニーやエスクードのショップ「アピオ」を経営する尾上茂が1997年から2005年までパリダカに参戦、3回完走している。関連項目
*スズキ (自動車メーカー)|スズキ外部リンク
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